看護研究
第41回 京都病院学会
2006年06月19日
6月11日(日)病院学会の発表が終わりました。
今年は2題の発表を行いました。

演題1.PEG減圧方法の検討
 注入リークや嘔吐は、胃内圧の上昇が関与する事から、当院では注入前に3回の脱気を減圧目的で行い、その際に流出する排液の性状や量も観察していた。しかし、スタッフ間での手技統一が図れていない状況にあった為、適切な減圧方法を検討した。
研究方法
1.研究対象:障害老人の日常生活自立度(寝たきり度)のランクC1・C2に含まれるPEG造設患者    8名、年齢53歳~90歳
2.研究方法
①注入量:栄養必要量の注入食量を投与
②体位:30°または90°
③注入速度:300~400ml/時間
④注入前に1回群(昼)、2回群(朝・夜)、3回群(朝・昼・夜)に分別し脱気のためカテーテルを開放
⑤④の5・15・30分後の排液量・性状を確認
⑥胃瘻周囲からの注入リークの有無を確認
結論
PEGの挿入部位はほとんどの場合胃体部の前方であり、仰臥位や座位またはファーラー位でカテーテルを開放すれば、脱気は行えるが注入残渣は重力により下方にあるため、排液は十分行えていないということになる。これらのことをふまえたうえで手技を検討した結果、左側臥位でカテーテルを開放し、注入残渣を確認。その後仰臥位または右側臥位で30度または90度にギャッジアップして、再度カテーテルを開放。脱気を行って注入を開始する、という方法が適切であると考える。

演題2. 巻き爪患者に対する爪ケアの効果
 巻き爪による痛みで歩行しづらく臥床傾向な患者に、痛みを緩和してADLを低下させない様にできたらと考え2名の対象者に爪ケアを試みた。評価方法は大須賀らの専用記録用紙を参考に、チェックリストを作成した。また、爪ケアの実施後に病棟内を歩行してもらい痛みの程度をWong-Bakerのフェイススケールを用いて評価した。
研究方法
1.対象者:高度認知症がなくコミュニケーション可能な寝たきり度A2ランクの巻き爪患者2名
2.倫理的配慮:研究の主旨を説明し、同意の得られた患者2名に実施した。
3.研究方法:巻き爪ケアを月1回、計3回実施。
Ⅰ.爪ケアの手順:①足浴をマッサージしながら5分間する。②水分を十分に拭きとる。③爪とその周囲から足関節までを酒精綿で拭きとる。④ヤスリの先で爪と皮膚の間の角質を取り除く。⑤ニッパーで爪をスクエアカットに切る。⑥スクエアオフに整える。⑦爪の切り口にヤスリをかける。
Ⅱ.評価方法:a.大須賀らの専用記録用紙を参考に、10項目のチェックリスト(①歩行状態②歩行時痛③巻き爪の有無④爪の幅⑤爪周囲の炎症の有無⑥巻き爪のタイプ⑦くい込み方向⑧足の変形の有無⑨自発痛⑩圧痛)を作成。 b.爪ケア実施前に、巻き爪の基部と先端の幅を測定した。c.爪ケアの実施後に、病棟内を歩行してもらい痛みの程度をWong-Bakerのフェイススケールを用いて評価した。
結論
①正しい爪切りの方法を継続していくことで巻き爪は改善される。
②爪ケアを継続し痛みを取り除くことで、ADLは向上する。
③ADLが向上するとQOLが高まる。

2演題とも日々の看護をする中から生まれた研究でした。この結果を3部署に広め、今後の看護に活かして行きたいと思います。
この記事へのコメント一覧:

研究発表を興味深く拝見させていただきました。今回当病院内科系病棟で爪のケア研究テーマに取り上げています。爪の状況の把握んも記録用紙、評価用紙がどうしても検索がうまいきません。勝手なお願いですが、大須賀先生の文献の検索方法を教えていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。


Posted by nagasaki kinenn at 2009.06.30 18:38

お問合せありがとうございました。大須賀先生の文献ですが「臨床看護」第31巻第9号p1343にあります「図2専用記録用紙」を参考にいたしました。何かありましたらご連絡ください。


Posted by 西京病院 at 2009.07.03 13:16
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