
禁煙外来より
2006年07月15日
1.タバコの煙の成分を知っていますか?
タバコの煙には約4000種類の化学成分が含まれています。そのうち有害物質として認定されているものは200種類以上にあり、40種類以上は発癌物質です。そしてとくに健康有害性が大きいとされるのがタール、ニコチン、一酸化炭素です。
また、その煙は2つに分けられ、喫煙者の吸う煙を「主流煙」といい、火のついたタバコの先からでる煙を「副流煙」といいます。フィルターを通ってくる主流煙では様々な煙の成分が減少しますが、副流煙ではすべての有害物質の成分が増加します。
●タール・・・・・・・・いわゆるタバコのヤニと呼ばれるものです。タールに含まれるベンツピレンは有名
な発癌物質です。
●ニコチン・・・・・・「興奮」と「鎮静」の2つの相反する作用があります。ニコチンは、急速に大量に吸収
されるため、その快感が、忘れられなくなって薬物依存になります。
また、血管を急激に収縮し、脳や心臓に悪影響を及ぼします。
●一酸化炭素・・・血液中のヘモグロビンと結合して酸素運搬能力を低下させ組織貧血を誘発します。
2.喫煙を続けるとこんな影響があります。
① 肺がん、喉頭がんをはじめとした、がんによる死亡の危険性が高くなる。
② 動脈硬化が促進され、冠動脈疾患(心筋梗塞,狭心症)による死亡率を上昇させる。
③ 脳血流の低下による脳血管障害をひき起こす。
④ 胃腸の血流低下により、胃潰瘍,十二指腸潰瘍の治癒が遷延される。
⑤ 微細粒子,刺激物質により呼吸器機能を障害する。
⑥ ビタミンCの破壊や皮膚血流の低下により、皮膚の老化や脱毛を招く。
⑦ 歯肉への血流低下と刺激物質が直接あたることによって、歯周病,歯肉や口唇への色素沈着が
しばしばみられる。
⑧ 早産や周産期死亡,低体重児などのリスクが高くなる。
⑨ 喫煙開始年齢が早いほど虚血性心疾患での死亡率は高くなり、未成年で喫煙を始めた人は、
50~59歳での死亡率が顕著に高くなる。
そのほか、アレルギー性疾患,閉塞性動脈硬化症,ED(勃起不全),運動能力の低下など
3.禁煙治療の概要
2006年4月から禁煙治療の保険適用が可能になりました。これは喫煙を単なる習慣や嗜好にとどまらず、ニコチン依存症という病気としてとらえ、必要な治療を行うという考え方です。一定の条件を満たした喫煙者なら、どなたでも治療を受けることができます。
① どんなことをするの?
《受診時期》
初回診療
再診1(2週間後)
再診2(4週間後)
再診3(8週間後)
再診4(12週間後)
《治療内容》
① 問診
② 診察
③ 呼気一酸化炭素濃度の測定
④ 禁煙実行、継続に向けてのアドバイス
⑤ ニコチン製剤の処方(必要に応じて)